土佐錦魚専科・研究棟 志す人のブログ



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選別思考 4800
土佐錦魚の前身に掛けられたのは、南京になる。
南京らしい事は、土佐錦魚らしくないとされた。
するとすぐに反論される。
「土佐錦魚は南京顔がいいとされているではないか」
確かに。土佐錦魚の前身の見えるところは全て否定されている。
だが、背骨の数だけは採りり入れられた。
その数が今でも、土佐錦魚の常識的な背骨の数になっている。
数えた事はないが、マルコ系も変わりがないと推察している。
つまり、採り入れたところは、土佐錦魚らしいとされた。
土佐錦魚に採り入れたところはナンキン顔、ナンキン腹になる。
ナンキン顔、ナンキン腹とカタカナを用いたには理由がある。
取り入れてはいても、南京の顔や腹そのものではない。
土佐錦魚は、でかい顔をしている。
頭でなく顔と呼ぶだけのことはある。
掛けられているどの種よりもデカイ顔をしている。
それは、顔が長い事になる。
長い顔は、目先も長くなる。
土佐錦魚は南京の顔を受け入れて、土佐錦魚の顔に作り替えた。
では腹型はどうだろう。
南京の腹型は、後腹が張っている。
その形を土佐錦魚は採用している。
それのどこが土佐錦魚と違うのか。
南京は、土佐錦魚より胸幅がある。

選別思考 4799
だが、金座は弱く、親骨の張りも弱い。
だが、反転に重きを置けば、金座にも目を背けることになる。
*土佐錦魚らしさを今一度纏めてみよう。
土佐錦魚属とは、反比例している。
土佐錦魚に掛けられて来た種から土佐錦魚へ取り入れなかった要素を土佐錦魚属方向としている。
土佐錦魚に掛けられて来た種をから土佐錦魚へ取り入れた要素を土佐錦魚らしいとしている。
半世紀前に高知で入手した土佐錦魚から採卵をして実感した事は〝なんと長手の出ることか〟尾のいい魚は実に長手が多い。
育てて行っても段々長くなる。
丸手になると琉金型が多い。
朝長手で餌を食べると中手になる。
採卵すると御多分に洩れず繰り返す。
結局その種は使わないことになるが、もう既に混ざっている。
とにかく長手はどんなに尾が良くても種にしない。
それが現在も続いている。
高知に通っていると、尾が良ければ長手から採卵している。
丈夫、大きくなる、泳ぎが上手い、逆し向かない、尾が大きい、反転もいい、採卵が容易、多卵で授精率がいい「七腹も採れた」
悪いのは、和金の体ほどに長いだけ。
こんな土佐錦魚を好んで飼っている若手のなんと多いことか。
それでも高知の保存会の主だった方々は丸手が基本としていた。
土佐錦魚の前身の和金型の体は、土佐錦魚らしくないとされた。

選別思考 4798
その東京の審査員は審査員になったばかりで、高知の審査員がこれは挙前
だからと指摘しているのを見て、水平線より上がっていると挙前と学んでいた。
規定では親骨の上下の抑えは水平線より少し下方となっている。
反転を挙げたときに親骨が水平線まで上がるとなっている。
挙前気味は、反転を挙げていない時でも親骨が水平線迄上がっていて、反転を
挙げた時には親骨が水平線より少し上がる。
それでも尾付は平付けで、皿付けにはなっていない。
挙前は、常時水平より親骨が上がっている。
土佐錦魚を過ぎた土佐錦魚らしくない範囲になる。
これをすべからく適応すると、カトレア返りは挙前気味になる。
カトレア返りは、挙前気味を適応する事で救われている。
カトレア返りは、挙前のように後の尾先を上げてはいない。
では、後の尾先を上げていれば挙前なのか。
そんなことはない。挙前とは後を加味していない。
だが、挙前になると後の尾先が吊られやすくなる。
それは何故か。
袖元に余裕がなくなるから。
なら、カトレア返りには余裕がなかったのでは。
袖元に余裕はないが後には抑えがあった。
ケジメがついていた。
挙前気味が成立するなら深前気味も成立するのではないか。
皮肉にもその深前気味の反転が一番発達する。
前方への展開は苦手だが、一番反転を大きく見せる。

選別思考 4797
何が厄介、これが厄介。
だが、そんな事が、元返り(直返り)と折り前(桁返り)の混合型を
誕生させている。
直接的な大阪ランチュウ系とリュウキン系の混合型を生ませる。
時系列的な大阪ランチュウ系とリュウキン系の混合型ができる。
深前は折り畳みが良過ぎて反転の前進が弱く袖元辺りに留まり、反転が
沈みがちで舞い上がりが足りない。
深前は付き方が平付けではなく山付けに近いと言える。
これは、標準に入る蘭鋳付きよりも、もっと緩んで土佐錦魚の付きとは
言えなくなり欠点とされ土佐錦魚らしくないとされる。
と、なるなら、挙前はどうなるのか。
挙前は、親骨が水平線より常時上方に上がっている状態。
皿付けを伴う事が多い。
金座そのものが皿のように反っている。
これも欠点とされ、行き過ぎて土佐錦魚らしくないとされる。
過ぎたるは及ばざるが如しだが、及ばないより過ぎている方がまだマシなのか。
過ぎれば足りないよりもっと嫌われるのか。土佐錦魚らしさを通り越していると
すれば、足りないよりはまだ土佐錦魚なのか。何方も過ぎたるは及ばざるが如し
なのか。
だが、土佐錦魚らしさを過ぎている方が大概は嫌われる。
だが、三つ尾を過ぎた尖尾はそれほど嫌われていない。
挙前とは、少しでも親骨の尾先に抑えを感じられなければ挙前としてしまう
審査を、東京で目の当たりにして違和感を感じ、それは挙前ではなく挙前気味に
しましょうと提案した事がある。

選別思考 4796
折れと下りは何方が欠けても四半円弧は成り立たない。
尾筒の骨格には湾曲がないと言える程に直線的となっている。
尾筒の角度は偏(ひとえ)に腰の折れる角度に頼っている。
もし、腰が折れていると言う形容ほどの角度がついてないと、尾筒は流れる
一方となり、四半円弧は末端で締まりを無くす。
折れ下りは一つの繋がりとして扱われることが多い。
折れ下りが良いと安定を与え、鑑賞を容易にさせる。
折れ下りが良いと尾付きは土佐錦魚の要としての平付けと金座を擁し、安定を
確保する。
安定は均整の基盤であって安定なくして均整はありない。
尾と体の均整が取れていても、一概に安定が良いとは限らない。
大概は背高が低く四半円弧風が成り立たなくなっている。それでも体と尾の
釣り合いが取れていると安定感を見せるが、いつかなにかが起こるとたちまち
崩れる事がある。
平付けの金座の輝きは、最高の味わいとなる。
平付けの後は土佐錦魚独特の張り詰めた緊張感を与えてくれる。
体と尾は安定した均整を味わう。
尾の育成とは、尾鰭の育成と言い換えられる。
尾形は遺伝的だが育成によって均整を失うと、尾形も遺伝子のままにはなって
くれない。
尾形は遺伝子の育成とも言える。
その遺伝子の改良が尾形を造る。
体でも尾でも兎角左右で遺伝子の異なる事がよくある。
体では片腹や体の曲がり、尾では左右の違いが後や前で起こる。

選別思考 4795
これも銘魚の特権になっている。
羽衣返りは金座が弱めで、カトレア返りは金座が強めになる。
羽衣返りは背形が甘めで、カトレア返りは背形が強めになる。
両者は典型の旗頭で何方が良いとか悪いとかの問題ではない。
土佐錦魚は、二者択一ではなく、兼ね合いで整合している。
*作りの極めを求めず許し、品、味、土佐錦魚らしさを問わず。
体は作り味わう、尾は育成し味わう。
理想の土佐錦魚へと選別淘汰をし、遺伝子を造り、
作り育成して選別淘汰を重ね、理想の土佐錦魚を創る。
体の作りは、品を尊ぶ。
顔が最も上品を作る。
福代かな腹形と顔とが相まって上品な体を作る。
上見からでも背形を捉え骨格を観る。
体は風格を味わう。
腰からは尾の一部の尾柄と同列扱いされているが、そもそも和金には腰が
存在していない。
土佐錦魚では、舵鰭の担鰭骨がが膨れた腹の内に入ったことから舵鰭は体に
含まれ、骨格的には腰も体として扱われている。
尾筒は筒支が尾に働いていることから、尾柄変じて尾筒となっていいても、
骨格的には体に含まれていない。
腰の折れは骨格の様子から導き出され、実際の腰は四半円弧的な背形の
一部になっている。
尾筒の下りは、長さでもあり角度でもある
長さが短いと付き高になり、角度が甘いと筒流れになる。

選別思考 4794
その上に反転の出来栄えまで関係して来る。
反転の出来栄えがどう関係しているのか。
桁返りの場合は、親骨先が円に届くかを問題にされる。
桁返りの半側条では、まさに親骨先になる。
桁返りの並側条では、親骨先と桜型の先の何方か届くかになる。
桁返りと直返りの混合型では、半側条も並側条も波型では親骨先が届く場合が
多く、桜型では側条の先が届くかになる。
直返りの場合は、親骨先より側条先が円に届く場合が多い。
直返りの場合は、ほとんどが桜型で、抑えが弱めの傾向にある。
親骨が反転に引かれて前方へ行っても抑えが弱いとはされず、将来を見据えて
多めに見られている。
羽衣返りはそんな親骨からしか現れない。
この場合、円に届いているかは変則的で、仮に親骨の先を反転の一部と見て、
架空の引かれていない親骨の延長が円に届くかになるが、大概は戻り反転の
棚引きで親骨先は隠されていて、不自然さを見せる事はなく、棚引きの方が
円に届いている。
銘魚の特権と言える。
親骨の引かれ方が強過ぎれば、たな引きが起きづらくなり見せ場が不自然に
なってしまう。認めるも何もなくなる。
親骨より側条先が長ければ側条先が円に届けば了承されている。
花弁返りの最高峰のカトレア返りも親骨の抑えが弱めになっている事が多い。
元々親骨は抑えられていたが、あまりに反転が見事に展開したために親骨が
浅く上げて中心線ほどに前方へも引かれている。
それがある事で反転が上部に展開出来ている。

選別思考 4793
深前は折り畳みが良過ぎて反転の前進が弱く袖元辺りに留まる。
深前は反転が沈みがちで舞い上がりが足りない。
袖元は舞い上げるための立ち上がりの元になっている。
土佐錦魚は、金座が弱いと土佐錦魚らしくなくなる。
深前では琉金らしくなってしまう。
金座が弱いと琉金らしくなってしまう。
付きが高いと琉金らしくなる。
体が詰まると琉金らしくなる。
体が長ければ和金らしくなる。
土佐錦魚は金座が強過ぎると皿付けになり、挙前方向になる。
安定が悪くなったり、反転が小さくなったり、迫り出しが出にくくなったり、
平付けが過ぎたりする。
見栄えは要の金座から始まる。決して三つ尾からではない。
視線がまず三つ尾かに注目され、それから金座を通り渡へ行くと注目度が
三つ尾と反転に集まり、金座は通過点となり存在が薄らいでしまう。
まず中央付近の尾付きと金座を視点として注目視する。
視線の動きとしては、背形から折れ下りへ進むと尾付に到達する。
まず安定感の基礎を確かめ、要の金座を確かめ、尾芯へ、渡りへ、口先へと、
相対的に四方へ視線を行き渡らせる。
三つ尾はその一環でしかない。
渡りは最大の難関になっている。
尾付きの親骨の條辺の強さ、親骨の前後の強さで渡りの到達点の円に届くかが決まって来る。

選別思考 4792
*尾付の基本を求めず許し、平付け、金座、袖元を問わず。
背形を求めて尚折れ下りを求めると、当然と尾付きが良くなる。
良くなり過ぎる傾向を感じることさえある。
背形、折れ下りを求めることは、尾付けが良くなり、金座が良くなり、袖元を
シッカリさせることもできる。
袖元もシッカリし過ぎる傾向を感じることさえある。
それを解消してくれるのが、リュウキン系になる。
それを気づかせるのが、基本の骨格の大阪ランチュウ系になる。
尾付の基本を求めないと平付けは弱くなり、金座も弱くなる。
すると反転が大きくなり、袖元の折り畳みが良く見え、迫り出しも良く見える。
そして尾が大きくなり、リュウキン系に移行する。
すると骨格が緩み、折れ下りが甘くなり、付きが高くなる。
ここで大概は安易に、二者択一を選択してしまう。
尾が大きく反転が大きい方がいい。するとリュウキン系になる。
尾付の基本を求めず許すことになる。
平付け、金座を問わず、袖元の如何を問わないことになる。
袖元の如何とは、袖元が良過ぎる事を言う。
袖元が良過ぎることが見えるのは深前になる。
深前は反転も大きい。だが、渡りを見せない。
なぜ深前が欠点とされるのかは、渡りを見せないところにある。
渡りの理想は、土佐錦魚の円に届いていること。
ただでさえ渡りは円に届き難い。
たとえ理想に届かなくても、貧弱でなければしいたげられない。

選別思考 4791
*腰の折れ、尾筒の下りを求めず許し、水平の安定感を問わず。
安定感の象徴は、逆し向かない(さかしむかない)事。
安定感の許容は、逆し向かないように胸鰭で調節できている事。
あくまでも許容です。
半世紀前の高知でもこんな感じでした。
ですが、高知の品評会で時折り、上見でも腰折れの良い安定感抜群の魚が
登場していました。
野中進さんに質問してみると、『こう言う腰は逆し向かん』
『こう言う腰が良い』と、教えて下さり、
そして魚を横にして、『目から尾の付け根迄の線は水平が良い』
『尾茎がこう言うふうに降りているのが良い』
尾茎がこう言うふうとは、尾筒が水平線まで下りている事です。
土佐錦魚参考の絵図には、それがシッカリ描かれています。
尾筒が尾付迄下りていると、尾芯は僅かに水平線より上になる。
背形は背高が高く尾付に掛けて四半円弧風が理想的になる。
そうであれば、キッチリとした平付けでも逆し向く心配がない。
背高があり折れ下りが良いと、四半円弧的な背形を叶えられる。
尾付きも良くなり、金座も良くなり、平付けも良くなっている。
我池の魚が、実際に証明している。
土佐錦魚参考の絵図は、今見ても良く出来ている。
改良しなければならないところも見つかっているが、基本的な事は、
半世紀経った今でも十分と言える。
当時は初心者だった者が描いたので、完全でないところも知らずに
描いている事を承知して頂きたい。